造形ゼミの報告その7

第6講座写真

山口県を代表する芸術家 香月泰男を知らない人が多くなっている。ピカソは授業で取り上げるのに、香月泰男の作品を取り上げることはほぼない、という話を聞きました。そこで、作家の考えを辿りながら作品制作をしてみたらどうだろうかと考えました。

香月には「おもちゃ」と呼ばれる一連の作品群があります。有名な「シベリア・シリーズ」の重厚さに比べると、軽妙・洒脱な作品ばかりですが、よく鑑賞すると「シベリア・シリーズ」にも通じる香月のメッセージが聞こえてくるように思います。香月は「おもちゃ」にどんな思いを込めているのだろう、みんなも香月と同じように廃材を使って「おもちゃ」を制作しながら考えてみよう 、と学習に取り組みました。

最初に香月泰男の略歴とシベリア抑留体験、「シベリア・シリーズ」の成立について触れます。シベリア抑留で受けた極感の中での強制労働や仲間の死やふるさとへの思いを作品のスライドを見せながら語り、その後に「おもちゃ」を紹介して制作に移ります。

おもちゃの制作には「香月のおもちゃ」に似せた廃材やなまし番線などの材料を使っています。